安里のテラ

地元では「ティラ」と呼ばれているそうです。地元の人の書いた注意書きには「寺」と書かれているので、「寺」だと思いますが、中城村の教育委員会が書かれた案内板には、「テラ」と書かれてますので、本土の「寺院」とはまた別の様で、坊さんがお見えになる様な感じは受けません。
建物も、いわゆる「寺」とは趣が違いますし、沖縄各地に有る「御獄」や「神アサギ」とも違います。独特の宗教施設です。

中にお祀りされているご神体です。
「寺」でしたら「仏像」なのですが、仏様では有りません。説明板によりますと
「4体の霊石」との事です。どちらがどの神様なのかは判りませんが、1713年の「琉球国由来記」に記されている御神名は、「笑キョ」様、「押明ガナシ」様、「イベヅカサ」様、「寄キヨラ」様だそうです。
ご神体は、権現のお告げで掘り出した3体と、海から漂着した1体だそうです。
テラは、字安里(このテラの所在地で、中城村字安里)の屋号、「カニマンジャ(金万座)」の祖先が創設したとされ、代々その子孫が祭祀を司り、建物の柱も、同家の米蔵(高倉)に用いられたものを使用しているとの事です。
本土の、いわゆる氏神様に相当しそうです。
旧暦の正月や、9月9日のテラ拝みには、子孫繁栄、健康祈願、五穀豊穣、航海安全等に御利益が有るそうで、字内だけでなく、近郊の漁業関係者の皆さんで賑わうとの事です。

なお、貴重な文化財ですので、許可なしに現状を変更したり、保存に影響を及ぼす行為をする事は法律及び条例で禁止されてます。念の為。

という事です。昔からのしきたりですし、火は危険です。ご注意を。