米須グスク

糸満市米須にある、米須グスクです。13〜15世紀頃の遺跡だそうですが、ここに伝わる伝承がなかなか・・

このグスクの主、米須按司(あじ:地域を統括する者)には美しい奥様がいらっしゃいました。按司の家来がその美しさに惚れ込んでしまい、ついには按司を殺してしまいました。
悲しんでいる奥様に、家来がしつこく自分の嫁になる様に迫ったので、主人を殺したのがこの家来である事を悟り、仇を討つことにしました。
「あなたの腕で一抱えする程の柱を使って家を建ててくれたら、あなたの妻になります。」
家来がやっとの事で木を探し出し、「この木だったら良いだろう?」と、両腕を木に回しているスキに、隠し持っていた釘を両腕に打ち込み、奥様は仇討ちを成し遂げたそうであります。めでたし。めでたし。

凄いお話ですね。釘打ちの専門家でも無いシロウトに、両腕を打たれてしまう程トロい家来に殺されたご主人はどういう方だったのかは、この際想像しない事にしましょう。
しかし、腕を釘で打ち抜いた位ではすぐにはお亡くなりにならないでしょうから、動けなくなった家来を後ろから心の臓を狙って釘を打ち、その上人柱として、このグスクに埋められたのかもしれません。当然想像ですが・・・。

 
 
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