MRE

MRE(Meal Ready-to-Eat,Individual)、米軍の非常食というか野戦食というか、要するにパッケージにまとめられた一食分の携帯用屋外食料というべきものです。米軍の方で定期的に新旧の備蓄非常食を入れ替えするそうで、入れ替え時期になると沖縄では市場に出回る様です。
お店のオバチャン曰く、「沖縄の人はキャンプの時とか台風なんかの時、このCレーション食べてるさぁ」だそうですが、その真偽はともかく、沖縄に滞在したからにはと、体験してみる事にしました。
ちなみにこのおばちゃんが言う「Cレーション」ですけど、レーションというのは一日分の食糧という意味で問題は無いのですが、「Cレーション」といえば、第二次世界大戦の折に米軍が携行した缶詰を主体とした食糧パックの事だそうで、厳密に言うと間違いという事になる様なのですが、沖縄と米軍との関わり合いの歴史からか、この様な米軍払い下げの携行食糧の事を「Cレーション」と呼ぶ事が多い様です。

 

さて、このMRE、米兵さんの好みに合わせてか、何日も続く戦闘で飽きない様にするためか、パックによってメニューが違っており、今回試したものは、写真右側のパッケージ、「MENU NO.10 CHILI AND MACARONI」です。テキサスのTHE WORNICK COMPANYという会社が作っています。 

 
 

Peelable Seal と書かれている通り刃物を使わずに簡単に開くパッケージを開けて見ると、これだけの物が入っています。
プラスティックのスプーン、ココアパウダー、レモンケーキ、ベジタブルクラッカー、ピーナッツバター、発熱剤の入った袋、箱に入ったレトルトのチリマカロニ、ガム、マッチ、砂糖、塩、タバスコのとっても小さな瓶、お手拭き、ティッシュ、紅茶のティーバック、ミルクパウダー(紅茶用)。

 
 

盛りつけしてみました。
調理方法は簡単で、パッケージをそれぞれ破いて、皿に乗せていくだけです。レトルトのチリマカロニは、同梱されている発熱剤の入った袋に、コップ1杯程の水と一緒に入れ、再度箱に戻して暫く放置すると、ホカホカになります。
調理に必要な物は、発熱剤用の水と、ココアやティバック用の水、だいたいコップ3杯分、それと適当な食器のみ。あとは何も必要ありません。パッケージも殆どが簡単に開くことができるものばかり。タバスコの瓶を覆うビニルパックだけがどうしても破られなかった位です。

さて、肝心のチリマカロニですが、見た目は何か得体の知れない物がレトルトのパックからドロドロと落ちてきて、食欲が削がれる感じなのですが、一口食べてみると…旨い!これは意外と美味しいじゃん(はーと)。ブリトーの中身といった感じで、これだけでも十分商品価値ありそう。御飯にかけても美味しそうです。
レモンケーキも美味しい!アメリカ人は非常時でさえも、ケーキ喰ってガム噛むんかい、と、敵から嫉妬されそうですね。クラッカーは普通のクラッカーで、ピーナツバターもまた、普通のピーナツバターでした。しかし、バターに関しては、量も多く、毎日これ食べるにしてはちょっとくどそうな感じです。食後のココアもなかなか。
ただ、問題としては、食べた後、パッケージのゴミが大量に出る事です。例え戦場でも、環境問題は避けて通れないと思われます。たとえ最前線であっても、ゴミは持ち帰るとか、分別収集の徹底をとかといったスローガンが掲げられているのでしょうか。

 
 

気を良くして1カートン買っちゃいました。(笑)
一箱に12種類のMREが入っており、中には「Vegetarian」と書かれた野菜食メニューも有ります。多民族国家だからでしょうか。
この箱にはどの様なメニューがあるか見てみましょう。

NO.1 GRILLED BEEFSTEAK
NO.2 BONLESS PORK CHOP
NO.3 BEEF TERIYAKI
NO.4 HAM SUCE
NO.5 GRILLED CHICKEN
NO.6 CHICKEN WITH NOODLES
NO.7 CHICKEN WITH SALSA
NO.8 CHICKEN AND RICE
NO.9 BEEF STEW
NO.10 CHILI AND MACARONI
NO.11 PASTA WITH VEGETABLES (Vegetarian)
NO.12 BEAN & RICE BURRITO (Vegetarian)

となっています。非常食と言えどもなかなか豪華ですよね。他にあと12種類のメニューがあるそうです。
「TERIYAKI」は照り焼きの事らしいのですが、日本食もアメリカでは一般的になっている証拠とでもいいますでしょうか。そのうち、MREメニューに「SUKEROKU」だの「MAKUNOUCHI」だのも出て来るかもしれません。(そうなったらMREというよりは弁当に…)
物が物だけに、備蓄食糧としても暫くの間は持ちそうです。これでいつ起きるかもしれない大地震や巨大台風でも、暫くの食糧は確保できた様な感じです。とりあえず目下の所、電気・ガス・水道の未払いによる…(以下省略)

さて、このMREですが、本来軍が廃棄処分にして払下げた物ですので、本当に口に入れても大丈夫なのかという問題もあります。一応私の体で動作確認を取った所、とりあえずは大丈夫の様ですが、もし個人で入手してお試しに成られる際には、あくまでも皆様の責任に於いてお楽しみ下さいませ。

 

地元の方からレーションについて色々とお聞きしました。

復帰前までは市場に一般的に出回っていて、普通に食べていたそうですが、復帰後、当時のレーションの中にタバコが入っていたので専売法に引っかかるという事と、米軍からの払い下げ品なので製造年月日がはっきりしない為、食品衛生法のからみもあって、復帰後はおおっぴらに売る事が出来なくなったそうです。
その為に復帰前をよくご存じの方は、レーションというと懐かしい感じがするそうです。
また、国際通りの露天などで、レーションを買った観光客が内地に戻って食べて、食中毒を起こして大きな問題になった事もあるそうです。現在、一部のみやげもの店でMREが販売されていますが、法的にはどうなんでしょうね。

C−レーションとは「コンバット レーション」の略なので、ベトナム戦争時の物に限らず、Cレーションと言っても間違いでは無いのではというご指摘も頂きました。

 
 

 
 
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