中之湯

沖縄市安慶田に有る「中之湯」です。ここは、沖縄には数少ない「銭湯」であり、また、「温泉」なのです。
15時頃に開くそうですが、その頃には、前のベンチにお年寄りが集まっています。
入口の、売店の様な所にいるおばあさんに入浴料200円を渡して、入口の狭い扉を開けます。ここには、のれんなんて物はありません。

 
 

中に入ってびっくり。脱衣場から浴場まで筒抜け。それに、湯船も浴場の真ん中に真っ白な楕円のものが一つ。中にはバスクリンを入れた様な色のお湯がなみなみと…
温泉アイテムのケロリン洗面器やリーブルアロエのボディソープも無く、銭湯アイテムの壁絵や広告も無く、何か不思議な空間です。

壁に並ぶ、水と湯の蛇口は、座ると高く、立つと低いという中途半端な位置に有り、その二つの蛇口が、お医者さんの聴診器の様な形のホースでつなげて有り、湯水を混合する様になっています。
妙な位置に有るので戸惑いましたが、座って使ってみると、シャワー代わりにもできるという、なんとも合理的な構造の様です。

この特徴的な真っ白な湯船に入ると、ザバーっ流れ落ちるお湯が気持ち良い感じ。さすがアルカリ泉、つかるとお肌すべすべです。ここで隣の女湯から聞こえてくるおばさん達の高笑いを聞きながらボーっとしていると、何か田舎のひなびた温泉というか、小さな学校の講堂でお風呂に入っている様なというか、不思議な感覚になってきます。

脱衣場と浴場が筒抜けになっているので、入ってくる方が一枚一枚服を脱ぐ、男性主演のストリップ劇を一部始終見る事ができますが、あまり面白い物でも有りません。なんでこんな構造なのかなぁ、盗難防止か何かなのか、とも思ったのですが、考えてみると、気温がそれほど下がらない沖縄の場合、温泉の湯気がもうもうと立ち上る事も無いでしょうから、別に脱衣場と浴場との仕切を作る必要もなかったかもしれません。

 

入口に掲示されていた貼り紙より

中之湯
【アルカリ鉱泉】
アルカリ鉱泉は身体(血液および体液)の酸性化による皮膚臓器機能の老衰を防ぎ、新陳代謝により若々しいアルカリ性体質化を促します。
野菜または栄養食品の合理的配合というのも、身体の酸性化を防ぎ弱アルカリ性を促進し、健康長寿を図るためです。
このアルカリ鉱泉は、その有効成分によってアルカリ性体質化を促し一日の疲労を快復、気分爽快にせしめ益々健康にします。

〜効能〜
・婦人科疾患(冷え込み)
・関節、筋肉リュウマチス
・腺病、虚弱体質、貧血症、萎黄病
・痛風、神経炎
・打撲傷、外傷および火傷後の機能障碍

「中之湯」の鉱泉は地下300mの冷泉を汲み上げ、ボイラーで温めたものですが、下記の有効成分を含む良質のアルカリ鉱泉であることが、日越国吉(琉球大学農家政工学部)仲村実久(琉球大学講師分析担当者)のお二人の学者によって、日本復帰前に立証されております。

〜分析表〜
PH 7.6
固形分 1538mg/l
カリウム(K) 2.2mg/l
ナトリウム(Na) 482mg/l
鉄(Fe) 0.8mg/l
カルシウム(Ca) 8.9mg/l
マグネシウム(Mg) 0.7mg/l
食塩(Cl) 612.0mg/l
ヒドロ炭酸(HCo3) 2565mg/l
ヨウ素 6.2mg/l

 

 
 
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