旧沖縄県営鉄道
与那原駅跡

与那原町に有る、JA島尻東 与那原支所の建物です。現在、沖縄県全JAが合併し、上の写真にあります通り、県単一JAになっていますので、現在どの様にいうのかは判りません。
そんな事はどうでも良いのですが、こちらの、煉瓦色のタイルで彩られた、非常に近代的な建物のベースが、旧沖縄県営鉄道の与那原駅なのです。ちょっと信じられませんが、事実の様です。

裏に回ってみました。
見た目には特に何も判らないでしょうが、よく見ると、1階部分に柱が多いとか、二階との整合性が何となく取れていない様な感じを受けます。
実は、この一階部分の柱と屋根(2階との間の部分)とが、戦前の、県営鉄道与那原駅の駅舎なのです。
1914年に、与那原−那覇間が開通し、1931年、木造から鉄筋コンクリート平屋建の駅舎に建て替えられたそうです。なお、県営鉄道の駅では、初めての鉄筋コンクリート駅舎だったそうです。
1945年、第二次世界大戦の際、大破したものの、基礎部分がしっかりしていた為、戦争が終わった後、消防車の車庫として利用されていたそうです。
1957年、与那原町が2階を増築し、役所として利用。その後1975年より、JAが与那原支所として利用し、現在に至っているそうです。

与那原町立綱曳資料館に展示してあった、破壊された際の駅舎の写真です。この写真は表側から撮られています。
戦争直後の物が無かった時代とは言え、これを再利用して、現在の立派なビルに仕立て上げるというのも、とても凄い話の様な気がします。

JA与那原支所の裏から東西方向に走る小径、これが、当時の県営鉄道、通称「けーびん」が走っていた所だそうです。
当時の事を考えながら眺めていたら、今にも小径の向こうから、蒸気機関車が走ってきそうな、そんな気もしてきます。

 
 
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